戦火の杖音

視覚障害者の和子は耳で戦争に協力しようと考え、防空監視哨に立つ。
京都西陣を舞台に、空襲や建物疎開など銃後の戦争被害を描いた物語です。

チンチン電車の看板娘

戦争末期、男性に替わって京都市電の運転士と車掌を勤めた姉妹の物語。
肉親や知人を戦地へ送り出す人々のさまざまな感情を想像して書きました。

平成七福亭物語ー気楽に笑っていただきます

女性噺家ポン太郎の真打昇進が決まった。襲名した名前はなぜか「熊五郎」。
戦時中に噺家たちが演じることを封印した「禁演落語」を巡る物語です。

志願兵の行方

息子が入隊を志願したと知った父親の行動が家族の未来を変えてしまった。
徴兵忌避を選択した家族の悲痛な戦後体験を描きます。

Going Home

戦争で夫を失い、日本を憎み続けるロージーの前に一人の日本人女性が現れる。
日本もアメリカも、銃後の人々は同じ悲痛を味わったのではないでしょうか。

青い目のドロシー

「こんな時代でも国と国との友情を語る方法はきっとあるはずです」
昭和初期に米国から贈られた青い目の人形の処分を巡って葛藤する教師たちの物語です。

瓦礫の下の友情

昭和20年、アメリカ人のジョディは「敵性外国人」として日本の横浜で暮らしていた。
在日アメリカ人女性の空襲体験を描くことで、「敵」とは何かを考えてみました。

記憶―五条坂の手紙

京町家に残っていた地下防空壕。直子はそこに隠された一通の古い手紙を見つける。
戦中戦後を生きた祖父母の人生を辿りながら自分自身の悩みと向き合う女性の物語です。

八月の煩悶

被服廠で働く模範的軍国婦人である靖子。彼女は人には言えないある秘密を隠していた。
国に命を捧げることを強いられた戦時下の人々の苦悩に向き合う物語を作ってみました。